一戸建てを購入したらメンテナンスが大事!
なにをやるの?いつやるの?いくらかかるの?
お家のメンテナンススケジュールをしっかり確認しましょう。
人生で一戸建てを購入することはとても大きなイベントです。入居までわくわくしますよね。
でもお家って買って終わりではありません。長く住み続けるためにも適時にメンテナンスを行うことが重要です。
建築時には意識していない方が多いですが、住んで2・3年後に「いつ」「どこに」「なにをして」「いくらかかるの」と疑問がわいてくるはず。
でも誰に聞けばいいのかわからないですよね。メンテナンスのこと、しっかり確認しておくことが大切です。
①メンテナンスの重要性
前述したとおり、お家は建てて終わりではありません。今後長い間住み続けていきますので、雨風や日々の直射日光の積み重ねによる経年劣化が発生します。数十年と快適に住み続けていくために、お家を建ててからもメンテナンスをしっかり行っていく必要があります。メンテナンスを怠ると、お金をかけて補修しても元に戻らず建て替えが必要となってくる場合もあります。
このページではメンテナンスの時期についてお伝えいたします。
②自分でできる日ごろのメンテナンス
日常的な掃除や点検でも、住宅の劣化を最小限に留めることができます。自宅で簡単にできる点検方法をご紹介します。
■外部の変化をチェック
住宅のちょっとした変化に気づくためにも、日頃から屋根や外壁の状態をチェックする習慣を作ることが大事です。
外壁であれば汚れやひびの有無、屋根は色の変化や破損している箇所がないか点検してみましょう。ただ、屋根に登ることは危険です。見える範囲で色の確認や強風で屋根材が落ちていないかなどチェックしましょう。また、雨戸やシャッターは錆びが付着することが多いので、年に一度は乾拭きすると錆びが軽減されて長持ちにつながるのでおすすめです。
■内部は念入りな換気と掃除が鍵
屋内では湿気が大敵です。放置しておくと湿気が溜まり、床下の木部の腐朽につながります。特に、ホコリは湿気が加わると水分を吸って固まり、こびりつくことで、カビが発生や湿気の吸着を引き起こす可能性があります。ホコリは普段の掃除で意識したほうがいいですね。湿気対策には十分な換気と、水まわりや玄関などの湿気の溜まりやすい部分の掃除をこまめにするようにしましょう。
お役立てください。
③大きなメンテナンスは10年を目安に
苦労して手に入れたマイホーム。皆さん建てて達成したような気持ちになりますが、今後お家を長持ちさせるための維持費を節約できるかは、建ててから最初の分岐点が築10年目にやって来ると言われています。
お家は定期的に点検をし、メンテナンスや必要ならリフォームをすることで、寿命を延ばし、長く快適に住み続けることができます。
現在の木造一戸建て住宅の平均建替え年数は約30年と言われていますが、実はそれはあまりメンテナンスを行っていない場合で、とてももったいないケースです。定期的なメンテナンスとリフォームをしていれば、70年~80年以上は十分に住み続けることが可能です。
その最初の分岐点になるのが、築10年目です。住宅は、木、金属、樹脂など様々な材料で構成されていて、それらの寿命が最初に集中するタイミングが築10年目なのです。材料の寿命と言っても、その瞬間にすぐ壊れるのではなく、その時期を過ぎると劣化が加速するといった感じに思ってください。
例えばモルタル壁の塗膜やサイディングの目地の耐用年数は一般的に10年前後ですが、その耐用年数を過ぎたままメンテナンスもせずに放置しておくと、劣化が進み、中に水が入ってしまえば補修に余分な手間が掛かるようになります。壁にしても屋根にしても、構造部分まで劣化が進んでしまうと、その補修費用は増大します。
では、築10年目でやっておきたい外部のメンテナンスについてです。
- ・外壁のモルタルの点検&再塗装
- ・サイディングの目地の再シーリング
- ・サッシまわりの再シーリング
- ・屋根の点検・メンテナンスもしくは塗装
- ・防蟻工事(基本は5年毎、地域や薬剤により時期は異なる)
- ・バルコニーや屋上の防水工事
- ・屋外木部・鉄部の再塗装・補修(基本は5年おきを目安に)
- ・シャッター機械部のオーバーホール など
外まわりで忘れずに押さえておきたいのが、防水と蟻害対策です。中に雨水が入り込まないように防水部の確認をし、床下は腐食や蟻害の確認をして、必要があればメンテナンス&リフォームを行いましょう。
次は、築10年目でやっておきたい内部のメンテナンスについてです。
- ・キッチンのコンロのメンテナンス・交換
- ・給湯器のメンテナンス・交換
- ・換気扇類のメンテナンス・交換
- ・食器洗い機のメンテナンス・交換
- ・浴室の再シーリング
- ・サッシ戸車やクレセント鍵の点検・交換
- ・玄関ドアの蝶番や鍵の再調整・交換
- ・室内ドアの再調整 など
機器類の耐用年数は10年が目安となっています。今まではしなかった異音や水漏れを見つけたら、すぐにメンテナンスか交換をしましょう。
ガス給湯器も10年を過ぎたらそろそろ交換時期です。給湯器の故障はいきなりやってくるのであわてないよう、一歩早目を意識しておくといいでしょう。
④20年30年後のお家との付き合い方
20年、30年とたつと、さすがに木造のお家は劣化してきます。30年がたつと、張り替えなどのある程度大きな対策が必要になってきます。次に示すのは築後20〜30年を目安に考えたいメンテナンスと参考金額です。
- ・外壁の増し張りや張り替え:約30万~250万円
- ・屋根の増し張りや張り替え:約140万~180万円
- ・足場代:約25万~40万円
- ・内装のクロス張り替え:約1万円〜/㎡
- ・キッチン本体交換:約100万~300万円
- ・トイレ便器交換:約20万~40万円
- ・給排水器具交換:約5万~15万円
- ・給湯器交換:約30万~70万円
※延べ面積145㎡の2階建て住宅/勾配屋根120㎡スレート瓦・鋼板瓦の場合
外壁や屋根においては増し張りや張り替え(葺き替え)が必要になってきます。また、水まわりやトイレなどの住宅設備の交換の必要も出てきます。給湯器が故障したり、ひびが入ったり配管に不具合が生じてシンクが漏れるようになったり、耐久性、耐用性に限界に来てしまうこともありえます。
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⑤ 住宅を長くもたせるための対策
近年、お家は長期的にメンテナンスを行って継続して住むものだという認識にだんだん変わってきています。現在、ハウスメーカーなどのメンテナンス保証は10年のメーカーもあれば最長60年というメーカーもあります。今のお家はそのぐらい、あるいはそれ以上、長くもたせることを前提としている住宅も増えていることになります。
実際、木造住宅の寿命は、土台などの基礎・構造体(骨組み・軸組み)に使われている木材に腐食等の被害がなければ、80年以上とも言われます。基礎・構造体に腐食や傷みを生じさせないよう定期的に点検をし、10年、20〜30年のスパンで必要なメンテナンスを継続的に行うことで長くもたせることができる可能性が高まります。腐食の被害を抑えるために、木造住宅の場合はシロアリに対する対策が重要です。
高温多湿の日本では、湿気から住まいを守ることが重要です。じめじめしたところには木造住宅の天敵であるシロアリが繁殖しやすいので要注意です。およそ5~10年に1度の防蟻(ぼうぎ)処理をオススメします。
ご自身で出来る日頃のメンテナンスや適時に専門の方によるメンテナンス・リフォームを行うことでお家は長持ちします。また、点検やリフォームにかかる費用を確保しておくことも大切です。