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2017-07-02 17:11:44
いくつもの偶然が重なると記憶に残るもの。
のちにお客様となる偶然の出会い。のちに契約する物件での偶然の出来事。 新人営業とお客様と物件を結びつけた“どんぐり”の縁は偶然だったのでしょうか。 「このお客様の担当を頼みますね。」 上司からそう告げられたのは、ハウスプラザのホームページを見たお客様の問い合わせ対応だった。 入社した年の7月。はじめて耳にした“担当”という響きに、恥ずかしさと嬉しさを感じた新人営業の私。 すぐさまお客様へ電話を入れると、とてもいい反応だった。 「すぐにでも物件情報がほしい。子供がいるので近場で探しているんです。」 最初の電話で住み替えの条件を聞き出すことができ、上司からアドバイスをいただきながら話を進めるとアポイントを取りつけた。 (わたしって、ラッキー!) 心の中でそう呟いくと同時に、この縁を大事にしようと思った。 初めて担当することになったお客様に会えるというワクワクとドキドキを胸に抱えながら、 お客様の条件に合う物件を探して資料作りに励んだ。前日には上司の最終チェックも無事完了。 準備万端で、アポイントの日を迎えた。 「はじめまして。でも、お会いしていました。」 お客様である男性は、少し驚いたような表情で挨拶してきた。 思いもよらぬ第一声に私は軽くパニック状態。 物件資料を抱えたまま、男性の発した言葉だけが私の頭の中を駆け巡っていた。 (えっ?いったい、どういうこと?思い出せない・・・) そんな私の困った表情を汲み取った男性のお客様は「実はね・・・」と語りはじめた。 「どんぐり!あなたが、どんぐりを拾ってくれたんですよ。」 “どんぐり!” その言葉を耳にしたとき、それまでモヤモヤしていた頭の中が一瞬にして綺麗に晴れ渡った。 張り詰めていた緊張が解け、ほっこりした雰囲気が少しずつお客様と私の距離を近づけていった。 (こんな偶然の縁があるんだ・・・) はじめましてのつもりが、わずか数日前に別の場所で出会っていたのだ。 私がそう思ったように、ひょっとしたらお客様も同じことを感じて少し驚いていたのかもしれない。 そのお客様と最初に出会っていたのは、6月中旬の陽も落ちてきた現地販売会でのこと。 家路を急ぐ親子二人乗りの自転車が、現地販売会の物件前を通り過ぎようとしたときだった。 「あぁっ!」 自転車の後ろにちょこんと座った女の子が声をあげると、その声に気づいたお父さんはキーっと自転車を止めた。 大事な“どんぐり”を落としてしまった女の子は、後ろを振り返り少し焦った様子でそれを探していた。 その様子に気づいた私は、コロコロと転がった“どんぐり”を拾いあげ「しっかり握っておこうね」と女の子の手のひらに乗せた。 「ありがとう」と笑顔になった女の子。「ありがとうございます」と会釈したお父さん。 それ以上の会話もなく、再び自転車を走らせて去っていった。 私が不動産の営業であることやハウスプラザの看板が目に入っていないことは、 家路を急ぐお父さんの走り去っていく姿で想像できた。そんな記憶も商談を進めていくと少しずつ鮮明に蘇ってきた。 ご来店いただいたお客様のために用意していた物件資料には“どんぐりの物件”も入っていた。 条件に合う物件として用意していただけだから、偶然だ。でも、そのことに気づいていない。 お客様が資料から気になるいくつかの物件を選び出すと、ご夫婦とふたりの女の子のご家族を物件へ案内してまわった。 すべての内見を終えたお客様は、物件資料の中からひとつを私に差し出してこう伝えてきた。 「やっぱりここが一番いいですね!」 それは“どんぐりの物件”だった。お客様と私が最初に出会った物件だ。 お父さんだけでなく奥様やふたりの女の子のご家族みなさまがとても気に入ったという新しい家は “どんぐりの物件”に決まり、私は初めて営業を担当したお客様から初めての物件契約をいただくことができた。 「最初に会ったのはここでしたよね。ずっと気になっていたんです。」 物件案内で訪れたときに、そう語った柔らかな口調と懐かしそうに嬉しそうに “どんぐりの物件”を見上げている“お父さん”の横顔がとても印象的だった。 “どんぐり”からはじまった縁 現地販売会では近所の方々に声をかけたり、店舗の前を掃除しているときに「おはようございます」と挨拶したり、 常日頃から知らない人と接する準備ができたので“どんぐり”を拾うことも何気なくできたのかもしれない。 お客様がネットで物件探しを始めたタイミング そして、ハウスプラザのホームページへたどり着いたこと 営業担当が私になったこと 私だから「はじめまして」じゃなかったこと そして、お客様になる前に出会っていた物件が契約になったこと 女の子が落とした“どんぐり”からはじまり、いくつもの偶然が積み重なった初めての物件契約。 「不動産って、やっぱり縁ものなんだ。」 そう強く感じさせるできごとだった。
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