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2015-03-17 15:36:08
どっちが正解?『固定金利vs変動金利』
いくつかの種類がある住宅ローン。特に気になるのが『固定金利』と『変動金利』の違い。どっちがお得なんだろう…と考えてしまいがちですが、実はこの2つ、単純に比較してはいけないものなのです。
■金利タイプは3種類 金利タイプには大きく分けて『固定金利』型、『変動金利』型、『当初固定金利』型の3種類があります。 『固定金利』型は借入時の金利がローン返済終了まで変わらず、また毎月の返済額も一定となるタイプ。フラット35がその代表ですね。 一方『変動金利』型は金利の見直しが半年ごとに発生します。金利が変動しても5年間は返済額が変わらないのが一般的です。 最後に『当初固定金利』型。これは『固定金利』型と『変動金利』型のミックスタイプとなります。一般的には最初の10年を固定金利、その後の返済は変動金利が適用されるというケースが多いようです。 ■どちらの金利がお得? 『固定金利』と『変動金利』、どちらの方がお得なんだろう…と考える人も多いですが、実際にはこの2つを比較することにはあまり意味がありません。 それぞれの金利について誰がリスクを取るのか、ということを考えてみればよく分かります。 『固定金利』は将来的に金利が上昇しても借り手側には影響がありません。貸し手となる銀行側にとってはより多くの利息を取ることができないというリスクになります。 逆に『変動金利』は金利が上昇した場合、返済の負担が増える借り手側がリスクを取るという形になります。 このようにリスクを取る主体が異なってしまうので、どちらがお得という単純な比較はできないのですね。 ■『変動金利』のリスク そうは言っても現在の歴史的な低金利水準であれば、より低い金利の『変動金利』の方がお得に見えてしまうかもしれません。 『変動金利』の場合、半年ごとに金利が見直されますが5年間は毎月の返済額が変わらず、6年目から改定されます。ただし改定後の返済額は極端な増額とならないよう、それまでの返済額の1.25倍が上限となってしまうため、金利の上昇幅によっては利息の支払いばかりで元金残高がほとんど減らない…という可能性もあります。結果として『固定金利』より多く返済することになるかもしれません。 ■『変動金利』で住宅ローンを組んでもいい人 では『固定金利』の方が良いのかというと、そうとも言い切れません。『変動金利』には一般的に借入額が少ない、返済期間が短いなどのメリットもあります。 ただし、これまでに見てきたようなリスクも発生しますので、『変動金利』での住宅ローンは次のような人に向いています。 まずは安定した収入や貯蓄があること。夫婦共働きで毎月の収入に余裕があったり、遺産相続などでまとまったお金が手元にある人はこれに該当します。 次に子どもがいない、または子どもはいるがすでに独立している人。やはり教育費は長年にわたっての支出となるため、負担は極力少ないほうが安心です。 このように急な金利上昇にも対応できる余裕があり、ある程度のリスクは許容できるというのであれば、『変動金利』も選択肢の一つとして考えられますよね。 ■繰り上げ返済でリスクを減らすことも 『変動金利』の場合、『固定金利』よりも適用金利が低いため、借り入れ当初の負担は少なくなります。つまり資金にある程度の余裕ができるわけですよね。資産に余裕があれば、繰り上げ返済をすることによって元金残高を減らしておくこともできます。元金残高が減っていれば万が一金利が急上昇しても、返済にかかる負担を軽減することもできますよね。ただし資金に余裕がある場合に限られますので、将来的な収入や支出に不安がある人は『固定金利』を選ぶ方が無難と言えます。 ■ライフプランに合わせた住宅ローンを選ぼう このように住宅ローンに正解はありません。それよりも誰がリスクを取るのかをしっかり理解した上で、教育費や老後の生活費などのライフプランに合わせた返済計画を立てることが重要となってきます。 とにくリスクを取りたくない、収入や支出に不安がある…という人は金利の低いときに『固定金利』。リスクを許容することができ、資金に余裕がある、返済期間を短くしたいという人には『変動金利』と、それぞれのローンの特徴を理解して自分にピッタリのプランを見つけましょう。 ※平成27年3月作成 |